歯科医院において、歯科医師の治療をサポートする「歯科衛生士」と「歯科助手」は、欠かせない存在です。
ところで、この歯科衛生士と歯科助手の違いを皆さまはご存じでしょうか?
歯科業界での仕事に興味があるなら、ぜひとも知っておきたいところです。
そこで本記事では、歯科衛生士と歯科助手の違いを解説します。
それぞれの業務内容も紹介しますので、歯科業界でいずれ働いてみたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
歯科衛生士と歯科助手の主な違いとは
歯科衛生士と歯科助手の大きな違いは、資格の有無にあります。
歯科衛生士として働くには、国家資格の取得が必要ですが、歯科助手は、無資格でも就労が可能です。
また、歯科衛生士と歯科助手の仕事内容の違いは、「患者様の口腔内に触れられるか否か」という点に集約されます。
歯科衛生士は患者様の口腔内に触れ、特定の歯科医行為に携われますが、歯科助手は口の中に触れるのを許されておらず、歯科衛生士に比べて、対応できる業務が限られます。
以下の表に、歯科衛生士と歯科助手の違いをまとめました。
歯科衛生士と歯科助手の違い
歯科衛生士 | 歯科助手 | |
必要資格 | 歯科衛生士法第204号 | 民間資格(※無資格でも可) |
主な業務内容 | ・歯科予防処置
・歯科診断補助 ・歯科保健指導 |
・歯科診療介助 |
修行年数 | 3年 | 0~1年 |
歯科衛生士の資格を取得する際には、国家試験に合格する必要があります。
なお、受験資格を得るには、歯科衛生士養成機関(専門学校・短期大学・大学)で、3年以上の教育を受け、かつ卒業しなければなりません。
そのうえで、毎年3月初旬に実施される試験に合格して、ようやく歯科衛生士免許証が発行されます。
一方、歯科助手になるのに、資格は必要ないものの、専門的な知識を身につける必要があるので、学習の一環として、民間団体が発行する資格を取得される方もいるようです。
歯科助手を対象にした資格として、日本歯科医師会が認定する「歯科助手資格認定制度」が挙げられます。
本資格は、歯科医師会が都道府県別で開催する講習会を、所定の時間受けることで資格が発行されます。
それぞれの職業の詳しい仕事内容は、次の項で詳しく解説しますので、ぜひ、そちらもご覧ください。
歯科衛生士の主な仕事内容
歯科衛生士は、歯科衛生士法第1条により、「歯科疾患の予防及び、口腔衛生の向上を図ること」を目的とする職業と定められており、下記の3つの業務を担います。
歯科衛生士が担う三大業務
- 歯科予防処置
- 歯科診療補助
- 歯科保健指導
ここからは、歯科衛生士の主な仕事内容の詳細を解説します。
歯科予防処置
歯科予防処置とは、虫歯や歯周病の予防を目的とした仕事です。
具体的な業務として、虫歯の予防に効果を発揮するフッ素の塗布や、歯のクリーニングの実施が挙げられます。
歯科診療補助
歯科診療補助の業務では、歯科医師による指示のもと、一部の治療や、手術の補助を行います。
ただし、歯科医院で行う治療は、「絶対的歯科医行為」と「相対的歯科医行為」に分類されており、歯科衛生士が対応できるのは、相対的歯科医行為に属する治療のみです。
相対的歯科医行為に分類される主な治療は、以下の通りです。
歯科衛生士が行える主な相対的歯科医行為
- 歯石除去
- ホワイトニング
- 表面麻酔の塗布
- 仮歯の調整
一方、歯の切削や歯茎の切開、抜歯といった施術は、絶対的歯科医行為に該当するため、歯科衛生士が治療することはできません。
歯科保健指導
歯科保健指導の業務において、歯科衛生士は、患者様に対して歯磨きの正しいやり方や、食生活、生活習慣の指導を実施します。
歯科保健指導は、歯科医院内だけでなく、幼稚園や小学校、介護保険施設などに出向いて行う場合もあります。
歯科助手の主な仕事内容
歯科助手は、歯科衛生士と異なり、患者様の口腔内に触れる業務ができません。
では一体、どのような業務を担っているのでしょうか?
ここでは、歯科助手が担う3つの業務について解説します。
歯科助手の主な業務
- 歯科治療の補助
- 受付・会計
- レセプト業務
歯科助手は、医療行為にあたる業務はできないものの、治療の補助や受付など、歯科医院を運営するうえで欠かせない業務を担う、重要な存在です。
歯科治療の補助
歯科助手は、歯科医院での治療がスムーズに進行するよう、補助を行います。
たとえば、患者様にエプロンをかけたり、治療用の器具をセットしたりといった業務が挙げられます。
くわえて、使用した治療器具を洗浄するのも、歯科助手の仕事です。
受付・会計
来院された患者様を受付で対応するのも、歯科助手の仕事の一つです。
診察券や保険証の確認から始まり、診察後の会計業務までの業務を担当します。
また、並行して、予約の管理や電話応対、待合室での患者様の対応も行います。
レセプト業務
歯科助手は、医療事務の一環としてレセプト業務も担います。
レセプト業務とは、患者様の自己負担分を除いた診療報酬を、組合健保や協会けんぽなどに請求する仕事です。
日本では、国民皆保険制度により、健康保険加入者が診察を受ける際、医療費の3割を患者様が支払い、残り7割は健康保険組合を運営する保険者が負担する仕組みになっています。
そのため、レセプト業務は歯科医院の収益を得るのに不可欠な業務であり、取り組む際には専門的な知識が求められます。
関連記事「歯科助手の仕事内容とは?働くメリット・デメリットも紹介」
歯科衛生士と歯科助手は歯科医院での役割が異なる
いかがでしたでしょうか?
歯科医院にとって、歯科衛生士と歯科助手は欠かせない存在です。
これら2つの職業を混合される方もいらっしゃいますが、実のところ、まったく違う役割を担っています。
歯科衛生士は、一部の歯科治療や手術の補助を行い、歯科助手は、治療のサポートや事務業務をこなして、医院の運営を円滑に回す職業です。
条件に合う就職・転職をする際は、それぞれの役割を理解したうえで仕事を選びたいところです。
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監修者
長谷麻央
株式会社ハーモニック キャリアアドバイザー
《略歴》
タレントマネージャーとして5年の経験を積んだ後、
看護師専門人材紹介コーディネーターとして13 年間務める。
2021年から現在にかけて、ハーモニックでキャリアアドバイザーとして多くの求職者に貢献中