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歯科衛生士の資格は失効する?取得方法や費用も解説

2024/04/22 歯科衛生士の方向け
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歯科衛生士は、一度資格を取得したら更新や再試験の必要がなく、失効する心配がない国家資格です。また、歯科診療のサポートだけでなく保健指導など、歯科衛生士に求められるスキルが多数あることから、替えが利かないという点において需要が高い職業です。
本記事では、今後大きな需要が見込まれる歯科衛生士の資格の取得方法と、取得にかかる費用について解説します。歯科衛生士の転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

歯科衛生士免許証は失効するのか?

歯科衛生士免許証は、「歯科衛生士法」という法律に基づいた国家資格であり、取得の条件として必修科目や修業年限が定められています。一度取得すれば更新を心配する必要なく、継続して使用できます。
しかし、資格取得時に登録した本籍地や名字が変わった場合には、30日以内に名簿の訂正を「一般財団法人歯科医療振興財団」に申請する必要があります。なお、住所に関してはあくまでも本籍地の変更になるため、引っ越しなどにより住所のみ変更された場合は、歯科衛生士名簿の訂正・免許証の書き換えについての申請は不要です。

無資格では歯科衛生士になれないのか?

歯科衛生士になるためには、歯科衛生士免許証の取得が絶対条件です。歯科診療における表面麻酔の塗布や歯石除去などは医療行為に当たるため、無資格の場合は行えません。
同じく診療補助の立場である歯科助手は、資格がなく誰でも就労できますが、歯科衛生士とは異なり医療行為ができないため、一般事務としての扱いになります。
定められた歯科衛生士の学校で3年以上の必修科目や実技を学んだ上で、国家試験に合格して、初めて歯科衛生士と名乗れるようになります。

歯科衛生士免許証の登録変更手続き

歯科衛生士の免許証は、引っ越しによる住所変更や、結婚による名字変更があった際に登録変更手続きが必要です。その場合は、変更が生じた日から30日以内に「一般財団法人歯科医療振興財団」に申請する必要があります。
一般財団法人歯科医療振興財団のホームページ内にある申請書をダウンロードし、必要事項を記入後、「一般財団法人歯科医療振興財団」へ送付します。

申請書の送付後、約1週間後に必要書類が複数枚届きます。
手元に届く書類は、以下の通りです。

  • 「歯科衛生士名簿訂正・免許証(免許証明証)書換え 交付申請の手続き」概要
  • 歯科衛生士名簿訂正・免許証(免許証明証)書換え交付申請書
  • 免許証送付用宛名用紙
  • 郵便振替払込票
  • 登録済証明書
  • 返信用封筒
  • 遅延理由書(申請が遅れた場合に必要)

各種登録変更時に自身で用意する必要があるものは、以下の通りです。

  • 戸籍謄本または抄本
  • 歯科衛生士免許証
  • 収入印紙 1,000円分

歯科衛生士は、氏名や本籍地が変わるとたくさんの書類や手続きが必要です。原則30日以内という期日もあるため、慌てずに申請するためにも、登録情報の変更が決まった段階で、戸籍謄本や歯科衛生士免許証などを用意しておきましょう。
免許証を紛失してしまい手続きができない場合は、まずは免許証の再交付の申請を同じ手順で行う必要があります。普段持ち歩かない分、免許証の保管場所を忘れてしまう人もいます。いつでも手続きができるように、必ず免許証をどこに保管しているか把握しておきましょう。

歯科衛生士免許証を取得する方法

歯科衛生士の免許証を取得するには、養成機関で3年制以上のカリキュラムを履修し、卒業することが第一条件です。その後、年に1回、毎年3月に実施される国家試験を受験し、合格する必要があります。
国家試験はマークシート形式で行われ、面接や実技試験などはありません。試験後約1か月後に合否が分かり、合格することで免許を取得できます。歯科衛生士免許は試験だけでなく、学校に最低3年通い知識や技術を学ぶ必要があることを覚えておきましょう。

歯科衛生士の国家試験を受験するには?

歯科衛生士の国家試験を受験するには、歯科衛生士を養成する指定された養成機関である専門学校や短大、大学を卒業する必要があります。どの養成機関も3年制以上のカリキュラムであることが義務付けられており、そこで歯科衛生士になるために必要な知識や技術を身に着けます。
その後、無事に卒業して初めて歯科衛生士の受験資格が得られます。養成機関は全日制だけでなく、夜間制の専門学校などもあります。日中に仕事をしている方でも、夜間に学校で学ぶことが可能です。

歯科衛生士の国家試験の難易度

国家試験と聞くと、「難易度が高そう・難しそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。ところが歯科衛生士の国家試験の難易度は低く、毎年の合格率は95%前後と、非常に高い合格率となっています。
歯科衛生士の試験は、いかに歯科衛生士で必要な知識や実技内容の理解度になります。試験科目は「解剖学および生理学」や「歯科予防処置」、「口腔衛生学」など複数ありますが、全てマークシート方式であり、試験は実技試験などはありません。
試験に合格するための試験問題対策はもちろん必要ですが、学校で歯科衛生士に必要な知識と技術をしっかり学ぶことが試験に合格するための一番の近道です。普段の授業の一つひとつをしっかり理解し、吸収していきましょう。

歯科衛生士免許証の取得にかかる費用

歯科衛生士は試験だけでなく3年制以上の学校で学ぶ必要があるため、資格取得にかかる費用がどれくらいになるのか気になる方も多いでしょう。
実際に歯科衛生士の免許証の取得にかかる費用は、学費や試験を取得した後の費用も含めて以下の通りになります。

 

項目 費用の相場
学費(全日制専門学校の場合) 約300~400万円程度
学費(夜間制専門学校の場合) 約260~300万円程度
学費(短大の場合) 約300~400万円程度
学費(4年制大学の場合) 約500~600万円程度
受験料 14,300円
登録免許税 9,000円
手数料 4,750円

 

表を見ると、学費の相場は通う学校によって費用が大きく異なることが分かります。
専門学校には全日制と夜間制があり、夜間制は比較的学費が安い所が多く、大学は基本的に4年制のため、専門学校や短大に比べて費用が高くなります。
歯科衛生士の専門学校には夜間制があり、社会人でも通いやすい点が大きなメリットといえるでしょう。
歯科衛生士は収入も安定しており、キャリアアップも見込めるため、転職による収入アップのために歯科衛生士を目指して学校で学び、国家資格を取得する価値も大いにあります。

歯科衛生士の将来性を高めるための資格

歯科衛生士として働いていく上で、将来的にキャリアアップを目指していくためには、歯科衛生士の仕事に関連する民間の認定資格を追加で取得することがおすすめです。
ここでは、歯科衛生士のキャリアアップで推奨される3つの資格をご紹介します。

  • 日本小児歯科学会認定歯科衛生士
  • 日本歯科衛生士会認定歯科衛生士
  • 日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士

 

資格名 資格概要 申請に必要な条件
日本小児歯科学会認定歯科衛生士 小児歯科医療に関わる歯科衛生士のための認定資格。

認定機関は公益社団法人日本小児歯科学会。

 

 

申請に必要な左記の条件をすべて満たし、歯科衛生士関連委員会による認定歯科衛生士試験を受けることで取得可能。

認定申請料は10,000円。

書類選考により試験が行われ、年に2回、10分間の発表と5分間の口頭試問(ケースプレゼンテーション)が設けられ、これらに合格することで資格取得。

日本歯科衛生士会認定歯科衛生士 歯科衛生士の歯科業務の質向上を目的とした認定資格。

認定機関は公益社団法人日本歯科衛生士会。

生涯研修制度専門研修を受け、所定のコースと30単位を取得。

その後、認定研修を受講し、認定申請書を提出することで認定歯科衛生士審査会から合格をもらい、資格取得。

 

日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士 歯科衛生士が歯周病への対応をより効率的に実施することを目的とした認定資格。

認定機関は特定非営利活動法人日本歯周病学会。

申請に必要な条件をすべて満たし、歯科衛生士関連委員会による認定歯科衛生士試験を受ける。

認定申請料は10,000円。

書類選考により試験が行われ、年に2回、10分間の発表と5分間の口頭試問(ケースプレゼンテーション)が設けられ、これらに合格することで資格取得。

歯科衛生士の仕事内容

歯科衛生士の主な仕事内容は、主に歯科医師の歯科治療におけるサポートですが、歯科医師の診療補助をはじめとし、歯科予防や保険指導まで幅広く活躍している方が多くいます。
最近では、虫歯や歯周病を未然に防ぐ予防歯科の意識が高まってきているため、これまで以上に歯科衛生士の仕事の需要が増加しています。
ここでは、そんな歯科衛生士の仕事内容について詳しく解説します。

歯科予防処置

歯科予防処置は、歯科疾患で非常に多い「虫歯」と「歯周病」にならないように、初期の段階で予防の処置を行うものです。歯科衛生士は、患者の歯が虫歯や歯周病に罹患し、手遅れになってしまうことを防ぎます。具体的な歯科予防処置は以下の通りです。

  • 歯垢や歯石の除去
  • 口腔内の汚れの除去
  • ブラッシング指導
  • フッ素の塗布

これらの歯科予防処置によって、重大な虫歯や歯周病に繋がる原因を除去し、虫歯になりにくい口腔環境を維持します。

歯科診療の補助

歯科治療は、治療の工程ごとに分かれて行うことが多いため、歯科医師とのチームプレイが必要です。歯科医院においては、歯科診療に関連する業務の種類も多岐にわたっているため、臨機応変に動く必要があります。

  • 薬剤や診療器具の準備
  • 医師の診療アシスタント
  • 口腔内のクリーニング
  • ブラッシング指導
  • レントゲン撮影
  • 会計や予約などの受付業務

歯科保健指導

歯の健康を維持するためには、歯の治療だけでなく、普段から歯を健康に維持するためのセルフケアが大切です。一度「虫歯」や「歯周病」になってしまうと、治療も長く他の歯や口腔環境に影響を及ぼす恐れがあるため、歯科保健指導では健康な歯を維持するための歯磨き指導を行います。
また、それ以外にも噛み方や食事のとり方に対する指導など、歯に関わる動作や習慣全般を改善する手伝いをします。

歯科衛生士が将来的に需要がある理由

歯科衛生士は、資格が必要で需要が高い職業であると説明しましたが、実際には将来的にも需要があるのでしょうか。ここでは、将来的にも需要があるといえる3つの理由を解説します。

理由①専門性が高いため

歯科技術は、歯科分野という専門性が高いため、必然的に仕事としての需要は高くなります。歯科医師は、主に歯科治療を中心に行うことが多いため、口腔ケアの指導をはじめとする分野での医師のサポートは必要不可欠です。患者さんとの直接的なやり取りも必要になるため、AIに奪われる心配もありません。
予防歯科の需要が高まってきている今だからこそ、歯科衛生士の仕事の需要も今後ますます需要が上がっていくでしょう。

理由②国家資格で代わりの利かない仕事であるため

歯科衛生士は国家資格であり、歯科医院では歯科医師の次に重要な役割を担っています。
また、歯科医師のサポートができる代わりの利かない仕事のため、将来的に見ても大きな需要があります。診療補助には歯科助手も入れますが、医師のサポートにおいて診療の一部を行うことは歯科衛生士しかできません。
また、歯科診療と同じくらい大切である歯科保健指導なども歯科衛生士だからこそできる仕事です。そのため、歯科治療での歯科衛生士の役割は、非常に大きいものであるといえます。

理由③高齢化社会に対応しているため

歯科衛生士の仕事は、高齢化にも対応しています。年齢を重ねるにつれて、歯が弱くなるなどの口腔トラブルが多く起こるようになります。
高齢者の健康な歯を守るため、口腔ケアの実施や指導を行うことも歯科衛生士の重要な役目といえるでしょう。

歯科衛生士の魅力

歯科衛生士は今後ますます需要が高くなっていくことが予想される、替えの利かない職業ですが、ここでは歯科衛生士としての職業におけるたくさんの魅力をご紹介します。
歯科衛生士の魅力は、以下の通りです。

  • 仕事にやりがいを感じられる
  • 需要が高く、転職先に困らない
  • 安定した収入を得られる
  • キャリアアップを目指せる
  • プライベートと両立できる
  • 結婚・出産後も続けられる

歯科衛生士は、歯科医院の中でとても必要とされる存在であるといえます。
主に歯科医師のサポートを行いますが、歯科衛生士は診療補助だけなく、診療の一部を担える人材です。
特に歯のクリーニングは、歯を虫歯や歯周病から守り健康な歯を維持するために必要な部分であり、歯科衛生士の技術が必要不可欠です。
また、労働環境においても、歯科医院は週休二日制であることが多い上に、安定した収入や福利厚生を得られる職場が多いです。
そのため、労働環境が良く働きやすいと感じる方も多いでしょう。

歯科衛生士は需要が高く必要とされる職業

歯科衛生士は、歯科医師をサポートする存在としてサポートだけでなく歯科治療、口腔指導など、幅広い仕事内容から歯科分野にとって必要とされる需要が高い資格です。
歯科衛生士は需要が高く求人も多いため、結婚や出産を挟んでも職場復帰や再就職がしやすく、仕事を長く続けやすい職業といえるでしょう。
また、歯科医院は全国に多数あるため、どこでも就労が可能なところも魅力の一つです。
指定された学校で3年学ぶ必要はありますが、プライベートを大事にしながらキャリアアップも目指せる職業である歯科衛生士は、これからますます人気が出ていくことでしょう。
転職を考えている方は、将来的にますます需要が見込まれる歯科衛生士も検討してみてはいかがでしょうか。

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監修者

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長谷麻央

株式会社ハーモニック キャリアアドバイザー

《略歴》

タレントマネージャーとして5年の経験を積んだ後、
看護師専門人材紹介コーディネーターとして13 年間務める。

2021年から現在にかけて、ハーモニックでキャリアアドバイザーとして多くの求職者に貢献中