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歯科衛生士の離職率は?辞める要因も解説

2024/04/22 歯科衛生士の方向け
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歯科衛生士として活躍している方の中には、さまざまな理由で離職を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際のところ、歯科衛生士の離職率は高く、再就職することは珍しくありません。
この記事では、歯科衛生士の離職率はどれくらいなのか、離職を検討する要因などを解説します。また、離職する際の流れや、働く職場選びのポイントなどもご紹介しているので、現在のお仕事にお悩みの方は、ぜひご参考ください。

歯科衛生士の離職率はどのくらい?

歯科衛生士の離職率の高さは、この分野特有の転職市場の活発さを表しています。約76.4%の歯科衛生士が転職経験を持ち、その半数以上が複数回転職しているという現状です。これは、多様なキャリアパスが存在することを示しています。とくに診療所での定着率が35.3%と低いことから、適切な勤務条件を求める動きが活発になっていると考えられるでしょう。

また、非常勤勤務を含めて働き手が自由に職場を選べる環境も、離職率を高める一因でしょう。転職を検討する際には、自身のキャリアパスを見直し、希望する勤務条件や職場環境を明確にすることが大切です。看護師や一般の社会人と比較しても、歯科衛生士の転職経験者は多く、職場への定着率が課題となっています。しかし、これは同時に、歯科衛生士に多くの選択肢と可能性があることも意味しています。

歯科衛生士が離職を検討する要因

歯科衛生士が離職を検討する要因は、ライフスタイルの変化や職場の人間関係、給与面での不満、そしてスキルアップの機会の少なさなど、要因が多岐にわたります。
ここでは、歯科衛生士が離職を検討する要因を詳しく見ていきましょう。

結婚・出産・育児

歯科衛生士業界では、結婚や出産といったライフイベントが離職の大きな要因となっています。女性が多い職場であるため、育児と仕事の両立が困難な場合があります。産休・育休制度が整っていない職場もあるため、働きたくても働けない状況に直面することもあります。また、復職したとしても、フルタイムでの勤務が難しいケースや、子どもの急な体調不良などで柔軟に対応できる環境がなければ、再度離職を選択することになりかねません。
このような状況は、歯科衛生士としてキャリアを積みたいと考えている人にとって大きな悩みです。

人間関係

職場における人間関係の問題も、歯科衛生士が離職を考える大きな要因の1つです。小規模な職場が多い歯科医院では、一度トラブルが生じるとその解決が困難になってしまうこともあるでしょう。院長や上司との関係が原因で職場を去るケースもあり、これは性格の不一致や価値観の違いが背景にある場合が多いです。
さらに、職場内でのパワーハラスメントやセクシャルハラスメントの問題が発生することもあり、これらの問題は従業員のメンタルヘルスを大きく損なう原因となってしまいます。こうした環境下では、たとえ専門スキルを活かして働きたいと思っていても、心身の健康を守るために退職を選択することも多くあります。

給与や待遇に関する不満

歯科衛生士の仕事は高い専門性を要求されるものの、報酬が十分に反映されていない現状があります。具体的には、業務の過酷さに比べて基本給が低い、残業代が支払われない、福利厚生が充実していないなど、多くの歯科衛生士が不満を感じています。とくに労働時間に見合わない給与や昇給の機会が少ないことが、転職を考える大きな動機です。
このような状況は、歯科衛生士の離職率を高める一因となり、業界全体の待遇改善が求められています。

スキルアップの機会の少なさ

歯科衛生士としての専門性を高めるためには、継続的な学習と実践の場が必要です。しかし、多くの歯科医院ではスキルアップのための研修や教育プログラムが不十分であり、自己啓発を図るためのサポート体制が整っていないのが現状です。新しい治療技術の習得や専門知識の更新が困難な環境では、歯科衛生士としての成長が停滞し、キャリアアップの機会を求めて転職することが考えられます。専門職としての魅力を維持するためには、働きながら学べる環境の整備が急務であるといえるでしょう。

歯科衛生士を辞めたいと思ったら考えるべきこと

歯科衛生士を辞めたいと感じ始めた時、衝動的に決断を下す前に慎重に考えるべき重要なポイントがいくつかあります。ここでは、歯科衛生士を辞めたいと思ったら考えるべきことについて詳しく見ていきましょう。

現在の自分の心情に向き合う

歯科衛生士を辞めたいと思ったとき、まずは自分の心情と正面から向き合うことが重要です。仕事のストレス、人間関係、職場環境など、辞めたいと感じる理由は人によってさまざまですが、その背景には何があるのかを深掘りしましょう。一時的な感情か、それとも長期にわたる問題かを見極めることが、次のステップに進むための重要なカギです。また、この過程で自分自身のキャリアについて見つめ直しましょう。ふとした瞬間に感じる不満が、実は大きな可能性への第一歩であるかもしれません。

本当に歯科衛生士の仕事を辞めたいのか考える

歯科衛生士としてのキャリアを全て捨てることになるかもしれないと考えたときに、本当にそれで良いのかを落ち着いて考えてみてください。今の職場が合わないだけかもしれませんし、業界自体が合わないのかもしれません。辞めたいという思いが具体的な理由に基づいているのか、それとも感情的なものなのかを区別し、可能であれば異なる環境で勤務している姿を想像してみることも1つの方法です。自分にとっての理想のキャリアパスを見つめ直す良い機会になるかもしれません。

歯科衛生士を辞めるデメリットを考える

どんな転職にもリスクが伴います。専門職としてのキャリアを持つ歯科衛生士が業界を離れることは、再就職の難易度、キャリアの中断、資格の活かし方など、多くのデメリットを考慮する必要があります。また、転職がキャリアに及ぼす影響を考える上で、今の職場で経験してきたことが将来にどのように役立つのか、または新たな環境で何を求めているのかを明確にすることが大切です。自分が本当に望むものが何かを見極め、転職を含めたさまざまな選択肢を検討することで、将来への不安を少しでも軽減できます。

歯科衛生士を辞める際の流れ

歯科衛生士としてのキャリアに区切りをつけて退職を選び、新しいキャリアを歩む決断は簡単な選択ではありません。しかし、人生のさまざまな段階で、転職などの決断が必要になることもあるでしょう。ここでは、歯科衛生士を辞める際の流れについて、段階を追って説明します。

まず、退職を考え始めたら、現実的に退職可能な時期を検討しましょう。法的には、2週間前に退職の意思を表明すれば退職が可能ですが、実際にはそれ以上の余裕を持って行動することが推奨されます。ですが、退職を決めた理由が、精神的・身体的な不調であれば、すぐにでも退職を考えるべきです。何よりも健康が最優先であることは間違いありません。

次に、直属の上司に退職の意思を伝えることが必要です。この時、退職の意思はあくまで「報告」であり、相談ではありません。退職の意志が固まっていることを明確にし、引き留められる可能性を低くしましょう。退職の理由について聞かれた場合は、不平不満を述べるのではなく、前向きな理由を伝えることが望ましいです。
その後、退職願を提出します。これは、退職する日程が決まった後、一般的には退職日の1ヶ月前を目安に行います。提出のタイミングは、事前の退職報告と同様に計画的に進めるべきです。

業務の引き継ぎは、円満な退職に向けた重要な過程です。後任者に対して、必要な情報や進行中の仕事について、適切に伝達しましょう。引き継ぎを通じて、プロフェッショナルな姿勢を保つことが、同僚や上司との良好な関係を維持する要素です。

最後に、退職日が来たら、これまでの職場でお世話になった同僚や上司に対して、感謝の気持ちを込めた挨拶を忘れずに行いましょう。このひと手間が、今後も続く人間関係をより良いものにしてくれます。

歯科衛生士を辞める際には、上記の流れに沿って、慎重に・計画的に行動することが、スムーズで円満な退職の方法です。新しいキャリアを歩む準備をしながら、これまでの経験を大切にし、次のステップに進みましょう。

歯科衛生士が再就職しないのはなぜ?

歯科衛生士が再就職しない理由として挙げられるのは、主に適切な待遇や労働条件の不足、自分の求める条件に合った職場が見つからないこと、資格や経験の不足による選考落ち、そして将来の不安からの転職活動のためらいが主な理由です。
とくに勤務時間の調整が難しい点や、育児との両立、自身の健康問題などが大きな壁となっています。また、歯科医療業界全体の課題として、スキルアップやキャリア形成の機会が不足していることも指摘されており、これらの不安要因が再就職への大きな障害となっているのが現状です。

歯科衛生士が働く際に重視すべき3つのポイント

歯科衛生士が働く際に重視すべき3つのポイントがあります。これらは仕事のやりがいだけでなく、働きやすさや生活の質に直接影響を及ぼします。

ポイント①働きやすい勤務地であるか

1つ目は働きやすい勤務地であるかという点です。勤務地の選択は、日々のストレス量を左右します。通勤時間が短い、交通の便が良い、住んでいる地域や希望する地域にあるかなど、自分のライフスタイルに合った場所を選ぶことが大切です。
また、勤務地が自宅から近いことで、仕事と私生活のバランスを保ちやすくなり、長期的な勤務にもつながります。

ポイント②資格やスキルを正当に評価してもらえるか

2つ目は資格やスキルを正当に評価してもらえるかという点です。資格やスキル、経験に応じた適正な評価や報酬があるかどうかは、モチベーションを維持する上で不可欠です。
また、スキルアップの機会が豊富にある職場は、自己成長を促し、より専門性の高い歯科衛生士への成長を期待できるでしょう。

ポイント③ライフスタイルの変化に柔軟に対応してもらえるか

3つ目はライフスタイルの変化に柔軟に対応してもらえるかという点です。結婚、出産、育児などの大きなライフイベントは、仕事への影響が避けられません。そのため、柔軟な勤務形態を提供し、個々の状況に合わせて対応してくれる職場を選ぶことが、長期的な視点でのキャリア継続につながります。産休・育休制度の有無や、時短勤務の可能性など、自分の将来のライフスタイルの変化を考慮して職場を選びましょう。

歯科業界の再就職はエージェントを活用しましょう

歯科衛生士の高い離職率は、ライフスタイルの変化、人間関係の問題、給与面での不満、スキルアップの機会の少なさなど、さまざま要因によって引き起こされています。しかし、この職業は多くの選択肢と可能性を持っているため、離職を考える前に自分のキャリアパスを見つめ直し、理想の職場環境や勤務条件を明確にすることで、価値のある転職にすることが可能です。再就職やキャリアアップを目指す場合は、専門のエージェントを活用してサポートを受けることも1つの手段として覚えておきましょう。

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監修者

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長谷麻央

株式会社ハーモニック キャリアアドバイザー

《略歴》

タレントマネージャーとして5年の経験を積んだ後、
看護師専門人材紹介コーディネーターとして13 年間務める。

2021年から現在にかけて、ハーモニックでキャリアアドバイザーとして多くの求職者に貢献中