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歯科衛生士の就職先は?勤務地ごとのメリット・デメリットを解説

2024/04/22 歯科衛生士の方向け
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歯科衛生士として就職することを検討中の皆さん、職場選びで迷っていませんか。
この記事では、歯科衛生士のさまざまな就職先と、それぞれの勤務先が持つメリット・デメリットを深掘りします。これからのキャリアを充実させたい方や、新しい環境での挑戦を考えている方は、ぜひご参考ください。

歯科衛生士の就業先

歯科衛生士のキャリアパスは、多岐にわたります。主な就業先としては、歯科医院、病院、介護施設、訪問歯科、保健所、医療機器関連の企業などがあります。
ここでは、以下の6つの就業先の特徴を詳しく見ていきましょう。

  • 歯科医院
  • 病院
  • 介護施設
  • 訪問歯科
  • 保健所
  • 医療機器関連の企業

歯科医院

歯科医院での勤務は、歯科衛生士にとって最も一般的なキャリアパスとなるでしょう。業務内容は歯石・歯垢の除去、クリーニング、虫歯や歯周病の予防指導、治療補助など、予防ケアが中心です。メリットとして、全国どこでも求人があり、超売り手市場ということもあり給与交渉の余地も比較的大きいという点が挙げられます。
また、歯科医院の多様性(一般歯科、小児歯科、矯正歯科など)は、興味や専門性に応じてさまざまな経験を積むことができるというメリットもあります。一方で、デメリットとしては土日の連休が取りにくいことや、診療終了後の残業が発生しやすい点です。また、患者さんとのコミュニケーションを多く取る必要があるため、人間関係にストレスを感じる可能性もあります。

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病院

病院での勤務は、総合病院や大学病院の歯科口腔外科での勤務です。ここでは、難症例の治療や外科手術の補助、入院患者の口腔ケアなどを行います。歯科医院と比較して専門性が高く、他の医療職種と協力してチーム医療を行うことが多いです。
メリットは、難症例を扱うことで高度な技術や知識が身につく点と、歯科医院に勤務している歯科衛生士よりも年収が高めであることです。また、医科の知識を習得する機会もあり、専門性を高めたい方には魅力的な選択肢と言えるでしょう。デメリットには、勤務時間が不規則で長くなることが多い点、土日休みが取りにくいこと、そして歯科以外の医療知識が必要となるため、継続的な学習が求められることが挙げられます。

介護施設

介護施設での働き方は、高齢者の口腔ケアを主に行うことが特徴です。ポイントは、介護が必要な高齢者に対して、口腔機能の維持・改善を図ることです。
この仕事の大きなメリットは、安定した勤務体系のもとで感謝される機会が多いことにあります。たとえば、日常的な口腔ケアによって、誤嚥性肺炎の予防に貢献できる点は大きなやりがいを感じられるでしょう。一方で、デメリットとしては、他の就職先に比べて給与水準が低めであることが挙げられます。ポイントとして、介護施設では、歯科衛生士としての専門性を活かしながら、高齢者の生活の質の向上に貢献できます。

訪問歯科

訪問歯科の勤務は、通院が困難な方への訪問による口腔ケアサービスを提供することが主な業務です。ポイントは、現代社会において高齢者や障がいがある方などに、訪問歯科サービスのニーズが高まっていて、歯科衛生士の役割が拡大していることです。
メリットとしては、高齢社会を支える重要なサービスを提供することにより、社会的な貢献度が高い点が挙げられます。たとえば、定期的な訪問により患者さんの口腔状態を改善し、生活の質の向上に貢献できます。しかし、デメリットとしては、移動に伴う時間の負担や、1日のスケジュールによっては勤務時間が不規則になりがちである点です。訪問歯科では、患者さん1人ひとりに合わせた個別のケアを提供することで、大きな達成感を得られる職場環境であると言えます。

保健所

保健所での歯科衛生士は、公衆衛生の向上を目的とした予防指導や健康推進活動に携わります。理由は、公衆の口腔衛生を維持・向上させることが、地域全体の健康増進に直結するからです。例として、学校での歯磨き指導や地域住民への口腔ケアのセミナー開催が挙げられます。
メリットには、定期的な勤務時間での働きやすさや、公務員としての安定性があります。一方で、デメリットは、他の医療現場に比べて動的な臨床経験が少ないこと、そしてパートタイムや非常勤での勤務が困難な点です。

医療機器関連の企業

医療機器関連企業では、歯科衛生士は製品開発、マーケティング、営業サポートなど多岐にわたる業務に従事します。理由は、実際の臨床経験を持つ歯科衛生士の知見が、製品開発や市場戦略において大きな価値をもたらすからです。たとえば、歯科医院でのデモンストレーションや展示会でのプレゼンテーションなどがあります。
メリットは、一般企業で働くため、福利厚生が充実しており、また歯科衛生士としての専門知識を活かしながら新しいキャリアを築けることです。デメリットとしては、臨床現場から離れるため、直接的な患者ケアから距離ができてしまうことや、製品開発や営業など、新しいスキルが求められることが挙げられます。

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歯科衛生士の就職率はどのくらい?

歯科衛生士としてのキャリアを目指している方にとって、この職種の就職市場がどのような状況にあるのかを知ることは重要です。そこで、歯科衛生士の就職率について、具体的なデータをもとに詳しく見ていきましょう。

まず、歯科衛生士の求人は、新卒採用を含めて活発であり、全体の9割以上が歯科医院で勤務しているのが現状です。このデータからも、歯科医院が歯科衛生士の主な就職先であることがわかります。また、病院や介護施設、訪問歯科診療、さらには保健所や医療機器関連の企業など、多様な勤務地が存在します。
そして、重要なのは就職率の高さです。全国歯科衛生士協議会によると、令和3年度の調査で、歯科衛生士養成機関を卒業した人の就職率は約91.4%に達しています。つまり、卒業生のほぼ全員が、歯科医院やその他の医療機関で活躍しているのです。一部の短期大学では、就職率が98.9%にも上る学校もあり、卒業者の大多数が専門職として働いています。

これらのデータから明らかなように、歯科衛生士としての就職は非常に有望です。売り手市場であることが多く、歯科医院をはじめとする多様な就職先があります。また、ライフスタイルの変化に応じて転職やパートタイム勤務も比較的容易であるため、長期的なキャリアプランニングにも柔軟に対応可能です。

歯科衛生士として就職するまでの流れ

歯科衛生士としてのキャリアをスタートさせるためには、適切な手順を踏む必要があります。ここでは、歯科衛生士として就職するまでの流れを詳しく見ていきましょう。

大学や専門学校で必要なスキルを習得する

歯科衛生士になるためには、まず、国家試験の受験資格を得られる教育機関での学習が不可欠です。大学、短期大学、専門学校にて、歯科衛生士として必要な専門知識や技術を身につけることからスタートします。ここでは、臨床で必要とされる基礎的な技術はもちろん、患者さんへのコミュニケーション方法など、実務に直結する多岐にわたるスキルが習得できます。教育期間を通じて、将来の職場で活かせる知識と技術をしっかりと身につけましょう。

自分の興味・関心に合わせて就職先を選択する

教育機関での学習を進める中で、自分がどのような環境で働きたいか、どのようなキャリアを築きたいかを考えます。歯科医院、病院、介護施設など、就職先は多岐にわたります。自分の興味・関心やライフスタイルに合った勤務地を選ぶことで、仕事の満足度を高めることが可能です。たとえば、高齢者の口腔ケアに興味があれば、介護施設や訪問歯科の仕事を選ぶのも1つの道です。自分の興味や将来のキャリアプランに合わせて、最適な就職先を見つけましょう。

採用面接を受ける

就職先が決まったら、次は採用面接の段階に進みます。面接では、学んできた専門知識を活かせる場面や、これまでの学習で得た経験を具体的に話すことが重要です。また、歯科衛生士として働く上での意欲や患者さんへの思いやりも、面接官に伝えましょう。
面接を通じて、自分自身をしっかりとアピールすることが大切です。面接が不安な方は、教育機関で提供されている面接対策プログラムを活用するのも良いでしょう。

歯科衛生士の国家試験を受ける

最後に、歯科衛生士としての資格を正式に得るため、国家試験に挑戦します。試験は主に筆記で行われ、人体の構造や機能、歯科予防処置論など、幅広い分野から出題されます。国家試験の合格率は比較的高いものの、しっかりとした準備が必要です。
試験対策として、学んできた知識の復習はもちろん、過去問題を解くことで出題傾向を把握しましょう。合格すれば、歯科衛生士として働くことができます。

歯科衛生士として働く際の就職先の選び方

歯科衛生士としてキャリアを積むにあたり、就職先を選ぶことは非常に重要です。以下では、就職先を選ぶ際の4つの重要ポイントについて解説します。

ポイント①仕事内容が自分に合っているか(ケアの対象)

自分がどのような患者さんをケアしたいか、どのような職場環境で働きたいかを考えることは、仕事の満足度に直結します。たとえば、小児の口腔ケアに関心があるなら、小児歯科に強い歯科医院や、小児専門の診療所を選ぶと良いでしょう。
一方で、高齢者の口腔ケアに焦点を当てたい場合は、介護施設や訪問歯科サービスを提供している歯科医院が適しています。自分の専門性や興味を活かせる場を選ぶことが、長期的なキャリア構築の第一歩です。

ポイント②給与や賞与が十分か

給与や賞与は、生活を支え、モチベーションを維持する上で大きな役割を果たします。地域や医院によって給与形態には差があるため、事前に情報収集をすることが大切です。
また、給与だけでなく、賞与や昇給のシステム、福利厚生の充実度もチェックすることをおすすめします。自分のスキルや経験が正当に評価される環境を選ぶことで、仕事への満足感も高まるので妥協しないようにしましょう。

ポイント③勤務地や勤務時間が適しているか

勤務地や勤務時間は、プライベートの時間やライフスタイルに大きな影響を与えます。通勤時間が短い、勤務時間が柔軟に調整できる、土日休みが可能など、自分の生活スタイルに合った条件を事前にリストアップしておくと良いでしょう。
また、ライフイベントによってこれらの要望は変わる可能性があるため、将来の変化に柔軟に対応できる職場かどうかも重要なポイントです。

ポイント④将来のキャリア設計に合っているか

自分が将来、どのような歯科衛生士になりたいのか、そのためにはどのような経験やスキルが必要かを考え、それを実現できる就職先を選ぶことが大切です。たとえば、専門的な技術や知識を深めたい場合は、研修制度が充実している歯科医院や、最新の医療機器を扱っている施設を選ぶと良いでしょう。
また、将来的に独立や開業を目指す場合は、経営やマネジメントに関する知識も学べる職場が適しています。

歯科衛生士の就職先は豊富にある

歯科衛生士のキャリアパスは多岐にわたり、就職先の選択肢も豊富です。歯科医院、病院、介護施設、訪問歯科、保健所、医療機器関連企業など、自分の専門性や興味に応じた職場が見つかります。就職市場は活発で、就職率も高いため、歯科衛生士としてのキャリアを積む上での選択肢に困ることはないでしょう。自分に合った仕事内容、給与水準、勤務地・時間、そして将来のキャリア設計を考慮し、最適な就職先を選ぶことが大切です。歯科衛生士として長く充実したキャリアを築くためには、自分自身に合った就職先の選択が重要です。

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監修者

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長谷麻央

株式会社ハーモニック キャリアアドバイザー

《略歴》

タレントマネージャーとして5年の経験を積んだ後、
看護師専門人材紹介コーディネーターとして13 年間務める。

2021年から現在にかけて、ハーモニックでキャリアアドバイザーとして多くの求職者に貢献中